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言葉の迷宮を制するのは私だ!
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2024/05/03 (Fri)                  [PR]
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2010/12/15 (Wed)                  小説の断片。
 
 『自由意思のある自鳴琴』


 そこではいつもオルゴールの音が漂っていた。

 哀しげな高音がゆっくりとしたテンポで流れる。

 窓際に、ロウテーブルの上に、ドレッサーの上で整然と並べられた化粧品の隙間に、どこにでもオルゴールの居場所は用意されていた。

 ここを訪れた大抵の者はその数にただ圧倒される。
 そして、すごいですね、オルゴールが好きなんですね、と言った言葉をつぶやくなり、黙ってしまう。
 あまりにも数の多いものに対する適切な言葉を見つけようとして失敗するのだ。

 これを集めるのに全部でいくらかかったんですか、という無邪気かつ直球な質問をしたのは小学生の秋弘が初めてだった。

「でも思ったよりお金はかかってないの。趣味がオルゴール集めなんですって言っておけば、何かプレゼントをもらう機会があった時、必ずくれるようになるのよ。いつの間にか自分で集めなくても、勝手に集まってくるようになったわ」

 そう言って彼女は上品に笑った。彼女は実に上品に笑う。嬉しいから笑うとか可笑しいから笑うとかいう感情がどこにもにじみ出ていない。
 単に笑顔の形に合わせて目元と口元の筋肉を操作しているだけに見える。

 しかし、この精巧な人形に見紛う笑みは「上品な」と形容するのがよく似合う。

「この中のどれが一番好き?」
 秋弘の素朴な質問に、彼女はそうねえ、とつぶやきながら周りを見渡す。どこに視線を走らせても、必ず視界のどこかにオルゴールが存在した。

 なかなか答えが出ないので、秋弘は聞き方を変えてみた。

「じゃあ、もしここが火事になった時、一つだけしか持ち出せないとしたらさ、どれを持っていきますか?」

 火事? と、突飛なシチュエーションに呆れたのか彼女は少しだけ目を細める。

「そう、一個だけ持っていくギリギリの余裕があるとして」

「それなら迷うまでもないわね」

 さっきまで散々迷っていた割にはずいぶんあっさりと言いのけた。
 彼女のローズレッドに彩られた指先がその持っていくつもりのオルゴールに向けられるのをじっと待つ。
 しかし、彼女の手は動かない。視線も秋弘を捕らえたままだ。


「全部おいていくわ」


「え、と。全部、ですか?」
 まったく予想していなかった回答に少しだけ戸惑う。

「残らず燃えてしまえばいい、そう思うのよ」

 相変わらず上品な笑みを口元にはりつけたまま言った。

 そして一番手近にあったオルゴールを引き寄せると、そっと優美な手つきでゼンマイをまわした。






 もしかして初、ですかね。ブログに小説の断片を載せてみました。

 意味深なようで、まるで意味をなさないような、そんな小説を書くのが好きだったりします。

 以前から小説と関係ない記事ばかり書いていたのでたまには、こういうのもいいかな、と思いまして。
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 無意味に毎日更新。

 小説が中々書きすすめられないなら、やっぱり、他愛のない意味なし日記でも、文字を綴るというのは大切だと思うのです。

 なんかの本に、文章作成は脳にもイイ! って書いてあったし。




 小説をね、まるで書いてないわけでもないんですけど、書いてて、これはどういう方向に物語を持っていきたいのかが全然わからないんですよね。

 登場人物が二転三転してます。性別も二転三転してます。

 ・女の子の友情物語メイン、サブでほのかな恋心。パターンと。
 ・男女の友情物語、のち、恋? パターンと。
 ・女、女、男、の友情なんだか愛情なんだか、パターンと。
 ・女、男、男、の友情なんだか(略)

 そんなパターンのあたりで揺れ動いてます。

 とりあえず、食べ物のシーンがやたら出てくるんですけど、そこだけ楽しんで書いてます。
2008/03/12 (Wed)                  昔を懐かしんでみる
部屋を掃除しました。気持ち的に整理したいことがある時は掃除に限ります。

色々整理していたら、昔書いた小説がいっぱい出てきました。

お懐かしいっ……。

そういえば、現在進行中の小説も核になっているのは小学生か中学生の時に考えたものだったりします。

小中の頃に考える話は全員美形ばかりで可笑しいです。
2008/02/20 (Wed)                  検索
 今日唐突に「無計画小説」という単語を検索にかけたくなって、グーグルで調べたら、まあ、予想通り、無計画小説のトップページが上の方にあるのですよ。

 で、その下になぜか「第9話」のページ……。

 何ゆえ9話が上の方に来ているのか謎ですが、検索結果を数ページ下までみても他の話数のページは見つけられないのです。

 9話だけ。

 不思議です。

 で、9話ってどんな場面だっけ、というのが気になったので、チラっと読み返してみたら、

 ヤマと早希が遭遇して、ハマと茜が二つの金庫でゴタゴタしているところでした。

 特に山場とも思えませんね。

 個人的にはその次の次の11話くらいがはっちゃけちゃっててスキですけど。

 ちなみにyahooで検索かけると、無計画小説の感想を書いてくださった当サイトのBBSがひっかるだけであとはざっと確認した感じ見当たりませんでしたね。

 ………。というか、そろそろサイトに小説をアップしたいです。したいなあ、という願望だけがいつも空回りしている気がしますが、さすがに小説サイトらしいことをまったくしていないのはいかがなものかと焦り始める今日この頃。



 関係ないけど、画像は自分で作ったチョコシュークリーム。

 シュークリームがしぼまず、ちゃんと膨れて焼きあがったのは実は今回が初なので、感動もひとしおでした。

 しかしながら食したらビックリマンチョコの味がして驚きを通り越して衝撃。
 次の日に余ったものを食べたら生地とクリームが馴染んで普通のシュークリームの味がしましたけど、なんだったんでしょうアレは。
2008/01/02 (Wed)                  謹賀新年&今年も投稿イヤー
 明けましておめでとうございます。

 2008年もどうぞよろしくして下さいませ。


 さてさて、ワタクシはですね、正月ボケをする暇もなく小説を書いちゃったりしてます。だって次の締め切りが1月10日なんですもの。

 で、枚数的にはあと1週間で数えるのも恐ろしいくらいの量を書かなければなりません。まあ、いつものことです。せめてもの救いとして、話はだいたい出来上がっています。

 で、読み返しては、矛盾点はないかなー複線はちゃんと張れてるかなーこの説明で意味わかるかなーといった事柄を自分でチェックするんですけど、

 ストーリーの進行上、ありえない矛盾点を発見しちゃいました。

 今回の小説は主役の男が正体を隠してる設定なんですよ。
 で、何を思ったか、正体がヒロインにバレる場面をすっ飛ばして己の出生の秘密を語り出しちゃってます。

 秘密がバレる場面を書き忘れてたあああ。

 バレてないのに、ペラペラしゃべるって、どんだけ軽い秘密なんですかっ!

 ってか、どうやってバラしましょう。全然考えてなかったよ……。

 そして、新年ついでにブログのテンプレートを換えてみました。
 若干、文字が目立たないんですけど、こういう雰囲気大好きなんです。
2007/11/05 (Mon)                  久々
 サイトで久々に小説アッッッップ!!

 タイトルは宣言どおり、「人間はそんなに速く走れない」です。

 略して言うのが中々に難しいですが、私的に「涼風」ですか?(略してねー)

 いや~すっかりサイトの更新が滞っています。もう2007年も後半の後半って感じですが、さっき数えたら今年のサイト更新回数8回でした。

 自分の理想としては、月1回くらいは更新したかったんですけども。

 ああ、人生は中々にままなりませんねえ。

 今回の小説は連載終了に1年とか2年とかかかるのはいやですねえ。

 頑張ります。

 
2007/10/25 (Thu)                  複雑な感情です。
 最近、友人に自分の小説を見せたら、誉められまして。

 なんか、自分の作品を誉められると、なんとも言えない気分になります。

 単純に嬉しいという感情に、恥ずかしい、くすぐったい、なんで、ホントに? といった気持ちがトッピングされます。

 とりあえず、テレちゃって死にそうになります。

 けなされると、納得する理由があろうとなかろうと、一律に落ちこむので、そんな負の感情に比べれば「テレ」なんてものは、すこぶる可愛らしい感情だと思いますけどね。

 でも恥ずかしいものは恥ずかしいのです。

 しかも、最近は自サイトに新作を公開してませんし、創作仲間にも会ってなかったので、お褒めの言葉を頂くのは久しぶり。恥ずかしさ倍増。


 ところでワタクシ、作家を志している割に、主体性がないのですよ。それで、自作品の良し悪しの判断を他の人に委ねちゃう場合が結構あります。

 つまり、

 人からいっぱい誉められる→ この作品、実は面白いんじゃないかと思い始める。

 人からコメントがもらえない→ この作品、すっごくつまんないや…と決め付ける。

 この友人に見せた作品も、自分の中では今ひとつな部分が多かったんですけど、なんだか、面白いような気が……(失笑)
2007/09/12 (Wed)                  「指定型学園生活バトン」 パート2
 昨日、福引があたりました。

 つっても、末等の1コ上の賞ですけど。しかし、2回当たりました。

 くじ運の悪さに関しては定評のあるワタクシですので、一人でこっそり浮かれております。

 何年か前、懸賞にハマりまして、1日1回どこかに応募する、みたいな生活を数週間続けたことがあるんですけど、その時はなーーーんにも当たりませんでしたしネエ。

 ちなみに、賞品は芳香剤とジュースでした♪


 前回に引き続き、バトンに答えます。
2007/09/10 (Mon)                  「指定型学園生活バトン」
 勝手にバトンを拾ってきました。

 無計画小説が2年近くかかって連載が終了したことですし、その記念で(笑)答えてみようと思います。

 まあ、当サイトの無計画小説を読んでない人が見て面白いかどうかは大いに疑問である代物だとは思います。が、未読の方もこのバトンを読んだだけで勝手に話を想像するってのはどうでしょう?

 たいして人数もいないことですし、5回、同じバトンを答える予定です。

 

 
2007/04/08 (Sun)                  10年ほど前の話ですね。
 言い忘れておりましたが、キリ番をとった方が名乗り出ないので、先着1名様にリクエストの権利、略してリク権をさしあげるので、もらってやってください。

 話題をかえます。

 昔、原稿用紙で小説を書いていた頃。その時の小説が未完なのですが、その続きが無性に書きたくなりました。

 原稿用紙、450枚分という、けっこうな長さなんですけど、話の展開としては、序盤をやっと抜け出たところくらいです。

 長っ。

 その要因としてはキャラが多すぎるんでしょうね。

 思い入れのあるキャラもいるので、そいつを主人公にして別の話かけないかなーと画策中。
 
 その場合、確実にライトノベル系ですね。
2007/02/20 (Tue)                  不思議って誉め言葉、ですか?
 自作品について。

 私の小説を読んでもらった後、「意味不明」とか「わけわからない」とかけっこう言われるんです。

 (そうかなあ。と思ってくれた方、優しいですね。けれどサイトで公開している小説はなるべく分かりやすいのをピックアップしているんです。例外もありますが)

 で、それを言われるのが嫌で、変で不思議な話じゃなく、わかりやすい話を書こうと決め、脱・不思議系を目指していた、んですが、

 ここに来て、「キリエって不思議な文章が持ち味だよね」といった主旨のことを言われまして。

 え、不思議でいいの? ってか、むしろやめるな、ってことですか。

 これは困りましたね。流行らないと思うんですけどね。難解なのは。

 でも熱狂的なファンがつくのはやや難解なくらいなものだという気もします。でも一般ウケはしなさそう……!

 あれですか。乙一さんみたいに、白と黒に作風が分かれるみたいなのを書けばいいんですか。

 不思議キリエと明確キリエ、みたいな。

 ……。

 でも。すでにけっこう不思議じゃない文章になりつつあるんですよねえ。

 私は、た、大切なものを失ってしまったのでしょうか。まあ、いいですけど。
2007/02/03 (Sat)                  さしずめ私はおだてられたブタさん
 私が通ってる学校では創作を課題として提出して批評されるんですよ。

なぜだか知りませんが、今日は自分の小説をベタ誉めされてしまいました。

あまりにも予想外なので挙動不審になってしまいましたよ。はは。

読者を物語にすーっと入らせる、引き込み方をよく知ってるね。小道具をうまく使ってさ。

とか言われちゃいましたから!

は、あたしに言ってんすか? って真面目に聞きたくなりました。

がんばろっーと。。

 で、そんなに誉められるようなもの書いたかなあと後で読み返してみたんですけど、ちょいちょい言葉遣いとかおかしいんですよね。

 なぜ誉められたか謎は深まるばかりです。
2007/01/05 (Fri)                  タイトルは作品の顔ですから
タイトルについて。

 私は小説のタイトルを決めるのがすごく苦手で、やってくれるのなら、誰かが代わりに決めてくれないかなーなどといつも思っております。

ずいぶん前に、ある漫画の3分の1スペースでタイトルを先に決めて、それからイメージをふくらませて作品を描く、というようなことが書いてあったんですね。

あ、なーるほどね、逆転の発想やね。と感心した私はさっそく自分もやろうと、それらしいタイトルを考えはじめます。

が、しかし、タイトルだけだと全っ然、話が思い浮かばないんですよ。これが。

それで、結局は話を書いた後にタイトルをつけるという普段どおりのスタイルに落ち着くわけです。

でも!!

いつかはタイトルから決めた小説を書き上げるつもりです。ええ、いつの日にかは。

 今のところ書きたいのは以下のタイトルです。特に2番目はかなり前から決めてるんです、けどねぇ。

○白い朝

○嵐はさよならを言う
2007/01/04 (Thu)                  これも、リサイクルって言うんですかね。
 正月っていうものは人をまったりした気分にさせますね。

 三箇日(さんがにち)が過ぎると、急に世間がせかせかと慌しく動き出したような気がしてしまいます。


 閑話休題。

 以前、自分が書いた作品を読み返してみたりすると、恥ずかしかったり、「ナニコレ?」と眉をひそめてみたり、思ってたより悪くなかったりと、書いている時とその直後には気がつかなかったことを再発見したりします。

 以前、大学で創作系の授業がありまして、一年間の授業のシメとして、作品集みたいなのを作るんですけど、先生に自分の作品を見せたらボツをくらいまして(間違いなく人生初のボツです)書きなおすんじゃなくて、別の作品を書いてこいと言われちゃったわけですよ。

 で、「この(ボツになった)作品は寝かしておいて、いつかまた書き直すなりすればいいんだからさ。○○は(名前忘れました。作家の名前が入ります)プロになる前に書いた習作の原稿用紙の量が押入れいっぱいになるほどだったんだよ」という話をされました。

 なるほど、いいこと言うなあと感心したのを思い出しまして。

 そろそろ寝かせてきた作品も増えてきましたし、ネタもないことですし、過去の作品を土台にした長編小説でも書こうかな、と思い立った今日この頃です。


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